リレーエッセイNo.36 私たちは語りはじめた「日本キリスト教婦人矯風会」との出会い直しを経て得たもの -作家・ラブピースクラブ代表 北原 みのり- 2019.08.30 1886年に設立した日本女性団体「日本キリスト教婦人矯風会」(以下、矯風会)に関心を持ち、その資料室にお邪魔するようになったのは2017年頃だった。 矯風会は、1894年に矢島楫子等が購入した新大久保の土地で、今も活動している。娼妓をやめた女性の支援施設「慈愛館」設立のために購入された1600坪の土地だ。慈愛館は慈愛寮と名前を変え、支援が必要な妊産婦を受け入れ続けている。火事や戦火で昔の面影はもちろんないが、それでも、この場所にいると、130年間に渡り、この場で女性たちが祈り、闘ってきたものの熱に触れるような思いになる。 一度、矯風会の資料室で調べ物をしている中、初代会頭だった矢島楫子のデスマスクを見せていただいたこと