経営者としての彼が優れているところは、創業期から経営者に徹したことだ。営業マンとしての腕を封じて、ひたすら経営を模索。そして、もうひとつは会社が大きくなった今でも、「サイバーエージェントは自分のものではない」と強く自覚していることだろう。創業者で筆頭株主でもあるのに、「オレがつくった会社だ」とか「オレがいちばん株を持っているから、言うことを聞け」とは言わない。 このことは経営の教科書には当たり前のように書いてあるけれど、実際には、そういった態度を続けることは簡単ではない。ほとんどの創業経営者は「この会社のものは、かまどの灰までオレのもの」と考えている。 「僕は上場企業の社長ですから、僕よりも会社の業績を伸ばせる人が現れたら、トップを譲るべきだと考えている。しかし、今のところ、なかなかそういう選択肢は出てこない。会社を上場させて10年以上たつのですが、周りを見ていると、残ってる人が少なく