ペラペラの猫が生まれたのは偶然だった。 映像学科だった学生の頃、 私の班は課題の映像制作で無謀にもサザエさんのパロディをすることになった。 その時の「タマ役どうしよう」という問いに私は、 「適当にダンボールで作って持ってきて」と答えていたのだが、 いざ撮影に行くぞ、という電車の中で、メンバーの薄いカバンの中から 「これ作ってきたで」と出されたのが下の写真のような猫だった。 私は感動した。 あの薄いカバンから、 猫が出てきた。 写真だともうわからない。 電車の中に猫がいる。 必要な時に大きくなれる折りたたみ傘のような・・・ 頭の中で猫の可愛さとモバイル感が結びついた瞬間だった。 私はこの子に「ペラ猫」という名前をつけた。 ペラ猫誕生から4年経ったが、 私はいまだにあのペラペラの猫を部屋に置いている。 なーんとなく捨てれないのだ。なーんとなく可愛い。 いや、可愛くないんだけど、憎めないほどよい