日経ビジネスオンラインでは、各界のキーパーソンや人気連載陣に「シン・ゴジラ」を読み解いてもらうキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を展開しています。※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。 多摩川を防衛線とする自衛隊の作戦には反撃することなく、ただ歩き続けるだけだったゴジラが、米軍の攻撃には突如激昂し、身を悶え、口から火炎を吐いて、停電になった闇の東京を焼く尽くし、熱線によって超高層ビル群を切り裂き、爆撃機B-2を破壊。やがて完全に停止する。これまで「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒や「風の谷のナウシカ」の巨神兵によって凄まじい破壊を描いてきた庵野秀明節が全開の、絶望的なまでに美しく、崇高なシーンだ。アニメで目撃した廃墟の風景が、実写の映画で再現されている。 しかし、なぜわれわれは恐ろしく感じるのか。それは東日本大震災の後に日本で制作された初めてのゴジ
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