クリムゾンの迷宮は異色であり名作である 貴志祐介さんの作品の中で異端であると思う作品は二つあります。 クリムゾンの迷宮ともう一つは新世界よりですね。 この二つの作品は貴志祐介さんの作品にしては、少しライトな小説家が扱いそうなサバイバル系、ファンタジー系のテーマをよく選んだなあという感想を持っています。 まず、そういったテーマの観点から二つは異色なのですが、さらにクリムゾンの迷宮が異色なのは、わりと物語の展開が速い、テンポが良いということでしょうか。 その点では、クリムゾンの迷宮とは異なり、新世界よりは上・中・下の三巻という長編ですし、やはり貴志祐介さんの物凄く緻密に書き上げて、外堀を埋めて埋めての作業に時間をかけて、本の後半の後半に一気に伏線がつながり物語が加速的に進むという構築美が見られます。 そういえば、ISOLAという作品の時の心理学的説明は、よくここまで調べるなと感心し、読書中に勉
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