123RF 厚生労働省は10月29日に『臓器移植の実施状況等に関する報告書』を発表し、本人の意思表示による脳死判定がこの3年間で34人にとどまり、2010年7月17日の『臓器移植改正法』(正式名称:『臓器の移植に関する法律の一部を改正する法』)施行前と大きな変化がなかったことを明らかにした。 本人の意思による臓器移植が増えていないことで“臓器移植改正法の内容が未だ一般に知られていない”という事実が浮き彫りになった。しかし、そのどこが問題なのか。ここで考えてみたいのは、全脳死判定数151人のうち、残り117人はいったい誰の意思で臓器を提供したのか、ということだ。 答えはまぎれもなく、脳死者の家族である。 2010年に施行された『改正臓器移植法』により、本人の意思が不明な場合でも、家族の承諾のみで脳死臓器提供が可能になったことはご存知だろうか。つまり“本人の意志が不明である”ことは、“拒否の意