歯科医からの診療報酬請求を審査する社会保険診療報酬支払基金の神奈川県の審査委員会で、審査のあり方に厚生労働省が「介入」した結果、支払いを認めない処分件数が従来の10分の1にまで減少、請求に占める処分の割合が全国最低レベルになったことが分かった。「審査の独立性が損なわれた」と委員から反発の声が上がっている。 神奈川県の歯科の審査は全国的に見て厳格という評判が高く、毎月、全体の2%弱(全国平均は約0.5%)にあたる1万件程度について、請求を認めない処分「査定」をしてきた。こうした現状について、衆院神奈川5区の坂井学議員(自民)が昨年、「神奈川は査定が飛び抜けて多い」などと国会で2度にわたり問題にした。 複数の審査委員からの取材によると、1月の審査委員会初日に、神奈川基金を管轄する関東信越厚生局神奈川事務所の指導医療官が委員に「神奈川基金取決事項・取決が厳しいと思われる事項」と題したリストを