気が付くと、近隣のスーパーに置いてある食パンが軒並みどこも六枚切りがメインになってた。 さらには、かつては関東では見かけなかった、四枚切りなどという醜悪な厚さの商品まで並んでいる。 俺はトーストは「サクッ」という食感こそが真骨頂だと思っている。 六枚切りでは厚すぎるのだ。(四枚切りは論外)。 日本でフランスパンやバケットが柔らかすぎるのはもうあきらめている。 引きちぎるように噛み切らないと食べられない固さであるがゆえに、噛みしめるほどに麦の味がにじみ出てくるようなパンは、もう海外に行った時の楽しみにとっておくことにする。 だがら、せめてサクッとしたトーストの悦びを俺から奪わないでくれ。 そもそも、現代の日本人は、あまりにも「ふわふわ」「もちもち」の食感ばかりを崇め奉りすぎだ。 スルメを愛した日本人は今何処? 顎の力を失い、噛みしめる悦楽を忘れつつあるこの国に未来はない。