太陽が3つあるように見えたり、逆さまの虹が現れたりする気象を原因とする大気光学現象が島根・出雲地方で同時に起きたことが18日、分かった。出雲では全国から神々が集まるとされる「神在(かみあり)月」(旧暦の10月)の時期を迎えており、「本物の神が降臨したようだ」と驚きの声が上がっている。 松江市の会社員、西村大輔さん(39)は17日午後3時半ごろ、出雲市平田町を車で走行中、上空の異変に気付いたという。太陽の周りを光の環が覆い、両サイドに太陽とほぼ同じ明るさの光源が見られたほか、太陽の上方には逆さまの虹も見えた。 松江地方気象台によると、太陽の周りの光の輪は「内暈(うちがさ)」、両サイドの光源は「幻日(げんじつ)」、逆さまの虹は「環天頂(かんてんちょう)アーク」と呼ばれる大気光学現象。いずれも上空の薄雲を形成する無数の氷の粒の働きで、光が屈折してできる。3現象が重なるのは珍しいという。