南都七大寺の一つ、奈良市の大安寺が、天平時代に仏教行事などを知らせるために柱や軒先につけ、目印や装飾として用いたという錦織の「庭幡(にわばた)」を再現し、京都市内で9日、報道陣に公開された。 縦約3・44メートル、横45センチ、重さ約3キロ。同寺にある重要文化財の仏像の足や首の装飾模様をモチーフに、古代織物などを手がける「龍村美術織物」(京都市)が5年がかりで4枚を織り上げた。天平時代の生地や仕立て方などを忠実に再現している。 庭幡は、来年4月3日に大安寺で営まれる、東大寺大仏開眼の導師を務めたインド僧、菩提僊那(ぼだいせんな)の1250年遠忌法要で使用される。