2008/08/12 2008年 まんが甲子園 祝辞 この文章を読み始めた諸君、読むのをやめて目を閉じてほしい。 目を閉じたら思い出してほしい。 小学4年生の君たちは、まんがとともにあったか。 今思い出した10歳当時の諸君が手にとっていたまんがの場面が、 まぶたの裏によみがえるだろうか。 それから諸君が始めて描いたまんがのキャラクターを思い出そう。 いつ、何歳くらいのとき、何を、どこで描いただろうか。 そのときの紙は何? 使ったのは鉛筆か、それともボールぺンか。 それを諸君はきっと覚えている。思い出すことができるはずだ。 だからいま、目を閉じてみよう。 たったいま、諸君が目の奥に発見したもの、それこそが「自分」だ。 自分とは何かがわからなくなったら、いつも目をつむるといい。 自分がこれからどこに行くのか不安になったら、 そのときも目を閉じることだ。 すると君たち