午前中、めいっぱいスキーを楽しみ、「そろそろ帰ろうかな」と板を車に積み込んでいた、その時。 電話が、かかってきました。 離れて暮らす、実家の母親からでした。 「大丈夫!?何があったの?」 なぜか、激しく取り乱している母親。 詳しく話を聞くと、携帯電話に「雄太さんが転倒した」という連絡が来たので、あわてて電話をかけたということでした。 スキーの腕前には自信があり、大けがをするような転倒をしたわけでもない。 もちろん、警察や消防と関わった覚えはない。 でも、母親に連絡がいった理由には、思い当たる節がありました。 それは、いつも身につけている、愛用のスマートウォッチです。 雄太さんは、最後のひと滑りを楽しんでいる最中、スマートウォッチが震えたのに気付いていました。 でも、「LINEかメールでも来たのかな」と思い確認はしていませんでした。 実際には、転倒を検出する機能が作動していたのです。