将棋の鈴木大介八段(左)に指導を受ける囲碁の棋士たち。納得がいくまで考える表情は真剣だ=東京都の日本棋院会館「囲碁部」で腕を磨く将棋の棋士たち。局後は「本職」と同様、丁寧に感想戦をする=東京都渋谷区の将棋会館 長年、「お隣同士」として発展してきた囲碁界と将棋界。二つのゲームを通じた双方の棋士の交流が最近、活発になっている。日本棋院の「将棋部」と日本将棋連盟の「囲碁部」には、互いに棋士が指導に訪れ、実力向上に一役買っている。 ■「異なる複雑さ」楽しい 東京都千代田区の日本棋院会館6階の和室。囲碁の棋士7、8人が、将棋の鈴木大介八段、村中秀史四段に指導を受けていた。毎月1回の「将棋部」の活動だ。 「この手はどんな狙いだ?」「弱ったな」などとつぶやきながら盤に向かう様子は和やか。実力はアマ初段、二段ぐらいの人が多く、通常、十数人の囲碁棋士たちが集まる。将棋の指導をするのは女流棋士が中心で、