昨年より相続税が引き上げられたことに加えて、マイナス金利の影響もあって、不動産投資を始める人が増えている。だが、そこには優雅な「大家ライフ」とは真逆の苦労が待ち構えている。 いいのは最初だけ 「4年前に親の遺産を3000万円ほど相続しました。するとどこから聞きつけたのか、銀行からは投資信託や保険商品を買わないか、不動産会社からはワンルームマンションを買わないかと、勧誘の電話がかかってくるようになった」 こう語るのは都内に住む石山晴幸さん(仮名、67歳)。とりあえず、退職金を預けている銀行に相談に行ったが、投資の経験も少ないし、よくわからない金融商品を買うつもりはなかった。そこで銀行に勧められたのが、不動産投資だった。 「現金で預けても金利が低くて利子が付かない。それなら、遺産を頭金にしてアパート経営でも始めてみてはいかがですかと言われたのです。アパート経営なら毎月、決まった定期収入が得られ