米国の低所得者層のスマートフォン所有率が低いのはなぜだろう――。そんな疑問を突き詰めることで生まれたFinTechスタートアップがある。シリコンバレーに拠点を置く米PayJoyだ。「デザイン思考」のアプローチに基づいて、低所得者向けのスマホローンを開発した。 PayJoyは2015年12月に米国で、韓国サムスン電子製のハイエンドスマホ「Galaxy」の購入資金を貸し出すというショッピングローンを開始した。米国で携帯電話事業者(キャリア)が提供するスマホの割賦販売を利用可能なのは一般に、クレジットカードの利用履歴などを基に算出した「FICO(ファイコ)スコア」が高い消費者だけ。PayJoyはキャリアが相手にしないFICOスコアが低い層をターゲットにする。 融資の条件はPayJoyが開発した「PayJoy Lock」というソフトウエアをスマホにインストールすること。返済が滞った場合はこのソフト