有害な紫外線を遮る南極上空のオゾン層が破壊され、穴が空いたような状態になるオゾンホールの面積は、ことしは南極大陸のおよそ1.6倍に達し、依然として規模の大きい状態が続いていることが、気象庁の解析でわかりました。 気象庁がアメリカの衛星の観測データをもとに解析した結果、8月ごろに現れたオゾンホールは9月28日に最も大きくなり、南極大陸のおよそ1.6倍にあたる2270万平方キロメートルに達しました。過去4番目の大きさとなった去年より小さいものの、過去10年間の平均値と同じ程度で、依然として規模の大きい状態が続いているということです。 大気中のフロンガスなどの濃度は緩やかに減少しているものの、依然として高い状態にあるということで、国連機関などの報告では、南極上空のオゾン層が1980年以前の水準に戻るのは、今世紀半ば以降になると予測されています。 気象庁オゾン層情報センターの木下篤哉調査官は「大気