ヒューリスティックとは、何かを短時間で楽に識別・判断したいときに利用する、単純化された手掛かりのことです。 よく出される例として、信号機が分かりやすいです。交通量の多い交差点を渡るときを浮かべてみてください。車・バイクの位置関係や状態を全て完璧に把握して渡るかどうかを判断すれば、事故には遭わないでしょうが、そうした複雑な情報を瞬時に判断するのは無理です。そこで、信号機の色をヒューリスティックとして用いるわけです。本来、青・黄・赤という色自体には何の意味もなかったのですが、青=渡れ、黄=注意、赤=停まれという意味を共通理解とすることで、色を見るだけで渡るべきかどうかが判断できるようになったわけです。 さて、心理学で用いられるヒューリスティックは、もう少し違う文脈で語られることが多いです。代表性ヒューリスティックとは、ある出来事の発生確率を考えるとき、その出来事に典型的な特徴を持つ内容に対して