息苦しくない肺炎、3つの要因 本日は「クローズアップ現代+」の取材を受けました。いわゆるハッピー・ハイポキシアについてご説明した後、重症化すると新型コロナ肺炎からARDS(急性呼吸促迫症候群)や多臓器不全、さらにICU後症候群というやっかいな後遺症にかかる可能性が高いこともあわせてご説明いたしました。 ハッピー・ハイポキシアとは、実際に血液中の酸素濃度(=酸素飽和度)が低下しているのに、患者さんが息苦しさを訴えない状態を指します。コロナ肺炎が広まってから、使われるようになった用語だと思います。なぜ起こるのでしょうか。 まず、新型コロナ肺炎では、比較的早期から肺の奥のほうで肺炎が始まり、せきやたんなどの症状が乏しいまま進行することと関係があリます。肺は、ガス交換を行う、すなわち空気から血液中に酸素を取り込み、逆に血液から二酸化炭素を抜き取って吐き出すわけですが、新型コロナ肺炎では、比較的早期