《シェアで書店主》シェア型本屋をプロデュース 仏文学者・鹿島茂さん 「棚は自己表現の手段。選んで価値を創造できる」 鹿島茂さん。自身の棚の前で 東京・神田神保町のシェア型本屋PASSAGE by ALL REVIEWSをプロデュースしたのは、仏文学者の鹿島茂さんだ。3月にオープンして以降、反響や手応えなどを聞いた。 当初、棚主として想定していたのは書評サイトALL REVIEWSの書き手や出版社が自分たちの本を並べることだったが、選書で自己表現しようと棚主になる人が多いことに驚いている。若い人が多いのも意外だった。 自分が面白いと思って並べた本に買い手がつくことが、自己表現の快楽として棚代と等価交換されている。棚の分だけ自己表現がある。 私は古書の収集家として「今あるものを集めて、これまでにないものを作り出す」ことを打ち出してきた。選んで並べることが表現になるのは、20世紀の近代の始まりに