不条理とは。 1. 筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。｢不条理な話｣ 2. 実存主義の用語。人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況。カミュの不条理の哲学によって知られる。 goo辞書より 不条理の類義語とは。 理不尽。ムチャクチャな。道理にかなっていない。 カミュと言えば思い出すのは異邦人。殺人の動機を太陽の眩しさのせいにしたあのムルソーの話。ペストは、異邦人の後に出版された小説だ。 この数ヶ月もの間、国内外を震撼させているあのvirusにより、世界中で再び注目を浴びているアレベール・カミュ(1913-1960)の著書ペスト。 参考著書 ペスト カミュ 宮崎峰雄/訳 NHKテキスト 100分de名著 アルベール・カミュ ペスト 中条省平 70年以上も前に刊行されたその小説は、 まるで2020年の現在に起きている出来事の予言の書のようだ。 感想はとても一言では

今夜の月は綺麗に見えますか 初めて足を踏み入れた警察署は・・何と言うか・・ガヤガヤとしていて、忙しなく人が動いていて、雑然としていて、私は着くなり帰りたくなった。 刑事課と書かれたブースの辺りでお弁当を食べていた人と目が合った。その人が指さした方向にドアがあった。そこが所謂、被害者や目撃者に鏡越しに被疑者の顔を確認させる「面通し」に用いられる取調べ室なのだろうか。 別の刑事に誘導され、静かに部屋に入った。中は薄暗い。あった、マジックミラーが。刑事は鏡の向こう側にいる被疑者の男を指さした。向こうからは私の姿が見えないのはわかっていた。だけど、何かの加減で私が見えてしまったらどうしよう。とてつもなく怖い。 怖いけど、確認するしかない。私は恐る恐る鏡の向こうの被疑者を見た。何か文句あんのか？と、今にも言いそうな顔をしていた。こんな人だったのか…。後方からバッグをひったくられたから、私は犯人の顔は

子どもの頃、いくつもの童話や物語を読んだ 母に読み聞かせしてもらったり ひとりで読んだり 妹に読んであげたり わたしは何度も繰り返し物語を読んだ イソップ物語 グリム童話 他にもたくさんの本を読んだ 王子様が迎えにくるお姫様に憧れたり 継母と云う言葉の意味も初めて知った 短い物語の中に秘められている様々な人生の教訓は、読むたびに、お話の森の中へと深く入っていく毎に、まだ子どもだった私には少しばかり怖いものとなっていった 夏の間中をバイオリンを弾き歌を歌って遊び呆けて過ごしたキリギリスと、暑い中も迫り来る冬に備えてせっせと働いていたアリの物語 日頃から退屈しのぎにオオカミが出たと嘘をついていた少年が、本当にオオカミが出た時には誰にも信じて貰えなかった少年の物語 水面に映る自分の姿だとは気付かずに、その相手が咥えている肉が欲しくなって脅してやろうと吠えた時、自分の口に咥えていた肉が落ちて川に流

あれ以来、以前よりも周りをよく見る様になった それ以来、以前よりもちょっぴり注意深くなった 良く晴れた朝にお布団を干すときに のんびり散歩をしている昼下がりに スーパーで真剣に食材を選ぶときに ぼーっと電車に乗っているときにも 混雑する雑踏の中を歩いてるときも 今目の前にあるこの景色が、普段と同じ景色なのかと確かめたくなってしまう。 今自分に見えているこの景色に、何か不自然なものがひとつでも含まれてやしないかと考えてしまう。 電車の中で周りを見回して、誰一人自分を見ていないことを確認し少し安心する。 視線はなくとも、誰かの持ち物が誰かをじっと見つめてはいないかと、つい探してしまう。 駅へと急ぎ足の人 私の後ろを歩く人 目の前を走る車に 店先で花を選ぶ人 宅配便の運転手も 道ゆく全ての人が その道のプロではないとは言い切れないからだ。 その人たちは、torioさんが思い描いている様な初老の男

嫌な予感ほど概ね的中するものだ 誰が言ったことば？ 月影つきこです 長くなりますが大丈夫ですか？ 物語はいよいよ後半に入ります 二人から指示された〇〇〇は、私が知らない街だった。 待ち合わせ場所はどこでもいいと言われたけど、私はまるで土地勘がない。きっと込み入った話になると思ったからどこかに長居が出来そうなお店があればいいなと思った。とりあえず早く向かわなくちゃ。電車の中ではとにかく二人が無事であります様にと、それだけを願っていた。 約束の時間より早く目的地に着いた私は、適当なお店を見つけるべく駅近くを駆け回った。これから始まる会議に使う会議室を探す秘書みたいに。 ようやくビルの一階に良さそうなお店があるのを見つけた。ゆったりとしたソファーが並び、隣の座席とは適度な距離が保たれている。照明は明る過ぎず暗過ぎず。ここにしよう。そう決めて急いで待ち合わせ場所に戻ることにした。 二人は約束した時

少しだけ遠回りをすることで、ここ数日の運動不足を解消できればいいなと出かけた買い物の帰り道に、綺麗な白髪の二人のご婦人とすれ違った。 ぴったりと寄り添い、見知らぬ誰かの家の庭に咲いている花を見て楽しげに語らう二人のご婦人は、傍目に見ても心配になるほどの密状態だった。 どうやらおひとりの足元が覚束無くて、転倒防止の為に二人が密着してる事がわかったわたしは、立ち止まった二人が転ばない事を確認するまで、何となく歩幅を小さくして少しの間見守ることにした。 そのご婦人達が今日まで生きてきた決して短くはない人生の中には、大きな戦争があったり、悲しい災害があったり、大切な人との辛い別れもあったかもしれない。 でも、今現在地球規模で起こっている得体の知れない底知れぬ恐怖は、そんな人生のベテランさんだとしても初めて体験する出来事なんじゃないだろうか。 歩き出しながら、わたしは考えた。 運命って何だろう。 自

こんにちは♩♬赤ちゃん ♩♬ 弟夫婦に赤ちゃんが生まれた 久しぶりのベビー誕生の話題 笑顔と幸せ一緒にやってきた 私の子どもは男の子が二人 妹の子どもも男の子が二人 弟と前妻には男の子が一人 この度生まれたのは女の子 初めての姫誕生に盛上がる 次々に送られてくる写真は 可愛くって  小さくって 可愛くって  壊れそうで 可愛くって  丸っこくて 赤ちゃんって どこかおつきさまみたい ある日 信頼する医師が教えてくれた あのね つきこさん 女の子はね お花を愛でる様に育てるといいんだ 可愛いね 綺麗だね 毎日そんな言葉をかけて育てるんだ そうするとね とってもとっても良い子に育つんだ ほぼ終わった私の子育てはどうだったの？ 王子の様に育てた子どもはどうなったの？ 一生懸命に可愛がったけどどうなったの？ 毎晩絵本を読み聞かせたけど良かったの？ おつきさま こんばんは おつきさま おしえてよ 男