卒業シーズンを迎えた3月。在学中の思い出をまとめた記念品として卒業生に贈られるアルバムや文集にも、近年プライバシー保護の意識が高まっているようだ。文集やアルバムの流出から卒業生を保護するため、徹底的な対策を施したという学校に話を聞いた。 東京都の私立アノニム学園(文京区)では、中等部、高等部ともに、今年から卒業記念品のアルバムと文集に生徒個人の名前を載せないことを決めた。プライバシー保護の観点から、全国的に写真掲載の同意確認は行われているが、匿名化する試みは全国でも初めてだという。 卒業生183人が将来の夢をつづった今年の卒業文集「朧雲(おぼろぐも)」に個人名はない。一人称を全て「私」、文末を「です・ます」調にそろえるなど、教師が文意を変えない程度に手を加えて文体を統一した結果、進路に迷った一人の生徒があれもこれもと夢を語るような節操のない文集に仕上がった。 また、生徒本人が分かれば良いと