「お前らのせいで面接落ちた。どうしてくれるんだ」 怒りの電話が掛かってきたのは、2021年10月上旬のことだった。受けたのは、ある“部屋”を管理する会社のコールセンターだ。 「リズムが崩れてうまくパフォーマンスできなかった」 どういうことか。興奮を収めて話を整理すると、全体像が見えてきた。 クレーム電話の主(以下、A氏)は、転職面接で不合格になってしまったという。そして、その面接を受けた場所が、時間単位で利用できる個室型のワークスペースだった。面接の時間に合わせて予約した都内の1室に向かうと、そこには前の利用者(B氏)がいた(図1)。時間貸しのスペースなので、自分の予約時間まで待つことにした。 問題が起こったのはここから。A氏の利用時間になっても、B氏が部屋から出てこなかったのである。 部屋の扉をノックするA氏。それでも先客のB氏は出てこない。面接の約束時間が迫るA氏は仕方なくコールセンタ