※本記事は、2021年4月9日に掲載した記事の再掲です 「わたしたちみんな、だまされているんじゃないかしら」とは、SF小説『時は乱れて』のセリフである。 【全画像をみる】優秀すぎる人事社員は、実はこの世に存在しない人物だった…フルリモートワーク企業のある実話 本書の主人公はある日を境に、自分を取り巻く全ては紛いもので、家も、立場も、隣人すらも誰かに作られたものなのではないか、という果てのない疑念に苛まれることになる。 こうした考えはわりとポピュラーで、「自分以外はみんな宇宙人なのではないか」とか「この世界は実はバーチャル空間なのではないか」などという空想を、誰しも一度は経験したことがあるだろう。 とはいえ、あくまで空想は空想のはず、だった。まさか20代も後半になって、そんな空想が現実のものになろうとは──。 仕事の速い若手社員、「遠藤ひかり」時をさかのぼること、2019年6月。 「フルリモ