世界は今、さまざまな政治的、社会的、環境的変化に直面しており、私たちの未来の大部分を決めるのは予想外の要因だ。予想外によって組織の存続が脅かされることもある。 ある世界的な金融機関のCEOは私とのインタビューで、未来に備える姿勢をこう説明してくれた。「未来に対するマスタープランがあるなどと、ゆめゆめ思ってはならない。たまたま起きたチャンスを、われわれがつかんできただけだ」。 このCEO率いる経営陣は、社内に方向性を与えるためのビジョン、カルチャー、行動規範だけを示し、後は社員が予想外の場所で、予想外の方法で何かを生み出すのに任せている。つまり社員がセレンディピティ・フィールドを生み出す手助けをしているのだ。 セレンディピティと単なる偶然との明確な違い 私は研究を通して未来に活躍できる個人や組織の条件を探っているが、そのなかで繰り返し気づかされることがある。 一流の人材はたいてい(無意識のう