熊本市の橙書店。古本屋ではないのに画一的ではない本棚は、最新刊と、発売後時間を経た本も等しく並んでいるから 清田麻衣子(きよた・まいこ)里山社・代表。 出版社勤務を経て、2012年、一人出版社「里山社」設立。ノンフィクション作家、井田真木子の復刊『井田真木子著作撰集』、橙書店店主、田尻久子のエッセイ集『みぎわに立って』ほか。最新刊は90歳の新人ちぎり絵作家、木村セツの作品集と生活史の聞き書きを収めた『90歳セツの新聞ちぎり絵』。 「はみ出し」気質の同じ匂いがする、小さな出版社と個人書店 「里山社」の名から、「ほっこり」した穏やかな人物を想像していただいている人もいて恐縮することがある。そもそも社会からはみ出している者が一人で出版社なんかやるのだ……と言うとさすがに言い過ぎだが、少なくとも私は自分のことをずっと「はみ出してるなあ」と感じながら過ごしてきた。社会に出てからは特に。会社に自分を合