連邦共和国の創設以来、ドイツには一貫して、すべてに優先する2つの戦略目標があった。健全な通貨と欧州統合である。これらはドイツが20世紀初頭の惨事から学んだ必須条件だった。ユーロはこの2つの目標を具現化するものだ。ところが今、それが互いに相反する目標となっている。 正しい答えは、過ちを犯した問題国を救済し、結果としてユーロ圏の結束を強化するが、通貨の安定を脅かすことなのか? それとも、問題国をデフォルト(債務不履行)させ、結果として通貨の信認を強めるが、ユーロ圏の結束を弱めることなのか? 単一通貨が導入される前なら、ドイツはそんな選択をしなくて済んだ。競争力のない国は単に通貨を切り下げたからだ。 ドイツがドイツでいられる理由 残念なことに、ドイツ国内の議論は誤って、答えはすべてのユーロ導入国がドイツのようになることだと決めてかかっている。だが、ドイツがドイツでいられる、つまり財政規律が取れ