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2010年2月28日のブックマーク (1件)

  • 時代の風:電子納本をめぐって=作家・桐野夏生 - 毎日jp(毎日新聞)

    ◇書籍データは誰のものか 前にも書いたが、ある仕事で、日の戦前から戦後にかけて調べ物をしたことがある。その時、驚いたのは、当時の単行や出版物のほとんどが残存しているという事実だった。日人の多くは、当たり前だと思うかもしれない。しかし、出版されたのすべてを完全に保存して、後世まで残せる国はそう多くない。それは、海外で資料を探した時に痛感した。図書館さえない国もあれば、図書館があっても数が少なく、不備だらけの国も多い。 これは、我が国の国立国会図書館への納義務制度の大きな成果だと思う。この制度の存在によって、雑誌や他の刊行物も、残すための努力の対象となったはずである。新聞社は過去の新聞を残し、出版社は、過去の刊行物を残した。大宅壮一文庫という貴重な存在もある。 かくして、後世に生きる我々は、当時の生々しい原をこの目で見ることができるし、読むこともできるのだ。 意外に知られていないの