数々のビデオゲームの翻訳に携わってきた者として、ゲーム翻訳家になるための心構えを一つ述べさせていただきたいと思います。 職業柄、私はよく海外のビデオゲームの日本語版をプレイすることがあります。そして、これも職業柄、そういったビデオゲームをプレイしていると、どうしても翻訳の精度に目がいってしまいます。人間の書く文章というのは面白いもので、ゲーム翻訳にどっぷり浸かった日々を、日本の首相が何代も入れ代わるくらい長い間(?)送っていると、翻訳された日本語テキストを読むだけで、そのテキストを翻訳した方の人物像がだんだんと見えてくるようになるのです。もちろん、美人かどうかとか、お酒が強いかとか、そういった問題じゃありません。具体的には以下のような事柄です。 (1) 翻訳の学習経験、実務経験があるかどうか (2) ソース言語の理解力が高いかどうか (3) 海外のゲームをたくさんプレイしているかどうか