(英エコノミスト誌 2011年6月25日号) 欧州の指導者たちが災いを回避するチャンスは急速に萎みつつある。 欧州連合(EU)は新たなルールを採用したように見える。計画がうまくいかない時は、その計画にとことんこだわる、というルールだ。 アテネで何千人もの人が抗議行動を起こそうが、市場が動揺しようが、欧州の指導者たちはきちんとしたスケジュールのもとで、ユーロ圏の問題を解決しようとしている。6月最終週には、ギリシャが新たな緊縮財政策を可決する見通しだ。そうすれば、ギリシャが7月中旬までに必要としている、総額1100億ユーロの最初の救済資金のうちの次回支払い分120億ユーロが手に入る。 欧州諸国がドイツ人を満足させるために、面子を保つ形の民間債権者の「自発的」な関与に同意すれば、1000億ユーロ前後の第2次支援がその後に続く。これでギリシャは、ユーロ圏の恒久的な救済基金「欧州安定化メカニズム(E