日韓併合100年を受けて菅直人首相が発表した謝罪談話は韓国はもとより中国でも大きな関心を持って報じられた。中国では同国への謝罪を促す論調が目立ち、韓国メディアは評価の一方、強い不満も示した。談話がかえって反日感情を呼び起こすのではないか、との懸念の一端が示された形だ。(北京 川越一) 中国国営新華社通信は10日、産経新聞の社説を引用し、菅首相の謝罪で韓国側が新たな賠償を求める可能性を示唆した。しかし、中国各紙は、談話を日中間の問題にすり替えて報じている。 11日付の北京紙、新京報は「日本がおわびしなければならないのは韓国だけではない」と題する論評の中で、「日本の植民地支配や侵略を受けたのは韓国にとどまらない。北朝鮮も冷酷な統治を受けた。中国、東南アジア諸国も同様に日本帝国主義の苦しみを味わった」と主張し、今回の謝罪は政治的な道具と断じた。