4月13日に行われた入学式で、蓮實重彦総長は新入生に対する式辞を述べた。その中で総長は、「知性は『驚き』によって確かなかたちをとる」とした上で、「『驚き』への感受性を組織するためには『いわゆる東京大学』という概念にまつわるすべてのイメージをきっぱり捨て去ることから始めればよい」と語った。また、国際的な比較から見た日本における指導者層の学歴の低さを指摘し、大学院教育の重要性などについても触れた。総長の式辞を、ここに抜粋して紹介する。 未来への潜在的資質を評価 新入生の皆さん。東京大学は、いま、あなた方を新たな構成員として迎え入れようとしております。この大学で学ぶことを選択されたあなた方の夢が確かな現実となり始めていることに、心からの祝福を贈りたいと思います。 あなた方は、いまとりあえず受け入れている「新入生」という呼び方には到底おさまりがつかぬほど、それぞれに豊かな多様性を秘めた無数の個体か