毎年、冬になれば、インフルエンザの流行が気になってくる。インフルエンザは普通の風邪と異なり、のどの痛みや鼻汁に加えて、39℃の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身に症状が出て、けん怠感も強いのが特徴だ。 さらにインフルエンザは、しばしば細菌感染を伴う気管支炎や肺炎などを併発して重症化することがあるため、やっかいである。特に、成人に比べて体が弱い子どもや高齢者では、インフルエンザの流行が始まると気が抜けない。 これまで、インフルエンザの治療は難しかったが、現在はインフルエンザウイルスを短時間に検出できる診断キットや、さまざまな抗ウイルス薬が登場し、以前より診断も治療も容易になった。 このように、西洋医学での治療法は充実してきているが、漢方医学でも、忘れてはいけない有効な薬がある。それが、「麻黄湯(まおうとう)」である。 麻黄湯は、医師用の漢方エキスの添付文書にも、「インフルエンザ(初
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