医療の在り方を根本から検討している県の「医療のグランドデザイン策定プロジェクトチーム(PT)」から、主要メンバーの県医師会が脱退したことが10日分かった。医師会は、黒岩祐治知事が医学部新設を志向していると指摘し「PTの意見を全く無視したやり方」と批判している。 PTは医療の充実を掲げる黒岩知事の肝いりで昨年8月に発足。12月の中間報告では、医師不足対策について明確な提言を避けた表現にとどめている。 脱退は12月27日付で、県医師会長名の文書で提出された。既存医学部の定員増ではなく新設を志向する考えが「突如として知事の強い意志」で提示されたとして批判。知事が国に要請活動を行ったことにも言及し「PTの在り方や委員の存在意義を否定しかねない」としている。 この日のPTは医師会推薦委員が欠席した中で行われ、知事は「誤解を生んだことは反省したい。丁寧に説明した上で行動に出るべきだった」と陳謝。
「日本の医療を変える突破口をつくりたい」。黒岩祐治知事は28日、生命科学分野の国際戦略総合特区指定を目指し医療の専門家らが意見交換する「ライフイノベーション地域協議会」に初参加し、構想実現に向けた意気込みを語った。 川崎市臨海部を核に医療・健康分野の研究開発機関を集結させ、国際競争拠点形成を目指す構想。黒岩知事は「せっかくの特区だから、国ができないことをやるべきだ」と強調。選挙戦から掲げている外国人の患者や医師の受け入れ、未承認薬の使用許可―といった特区活用による「開かれた医療」の実現を訴えた。 さらに、がん治療の取り組みに話題が及ぶと「待ってました」と切り出し、「東西医学の融合こそ最先端の医療」と持論を展開。漢方の臨床における科学的根拠を示し西洋医療と組み合わせれば「医療の個別化を目指せる」と指摘し、医師らの関心を引いていた。 横浜市内で開かれた同協議会には林文子横浜市長や阿部孝夫
東日本大震災被災地での救護活動に意欲を燃やす個人の医療ボランティアが全国で約300人登録されているにもかかわらず、これまで一人も現地入りを果たせていないことが10日、分かった。登録制度の創設を呼び掛けた国は、チーム医療を優先する傾向や派遣期間のミスマッチなどが背景にあると分析している。震災から2カ月。県内の登録者からは「熱意を無駄にしない仕組みが必要」と制度の実効性を求める声が上がっている。 「多くの傷病者が苦しんでいる現状を知りながら、医者として何もできないのか」―。茅ケ崎市の中尾誠利医師(40)は、被災地で日夜奮闘する医師の姿を見るたび、もどかしさが込み上げてくる。 社員の健康管理を担う産業医として企業に勤務。公立や大学病院の災害派遣チームには加入できないため、「公的な登録なら被災地も安心して要請できる」と思い、県の医療ボランティアに申し込んだ。 登録制度は、病院や所属別のチーム
横浜市立大学付属市民総合医療センター(横浜市南区)は7日、麻酔科医らによる医療用麻薬の持ち出し、使用事件を受け、再発防止策として、麻薬を取り扱う医師、看護師らについて不定期の尿検査を実施することを明らかにした。同センターによると、国内病院では例がないという。 医師や弁護士を含む調査委員会(委員長・野口和美同センター統括安全管理者=副病院長)の調査報告書で提示した。尿検査については、扱いの頻度に差はあるが、業務上、麻薬を取り扱う医師や看護師らは約800人に上り、検査は対象者を絞り、逐次、時期を決めず実施するという。 このほか、手術部長・麻薬科部長による麻薬処方箋と麻薬チャートの突き合わせによる使用量の確認や、集中治療部全体を見渡せる録画機能付きモニターの設置、メンタル面も含めた健康管理室などの対策を盛り込んでいる。調査報告書では、今回の事件について医師らの職業倫理観の欠如が大きな要因とし
横浜市立大学付属市民総合医療センター(横浜市南区浦舟町)の麻酔科医が医療用麻薬「フェンタニル」を所持・使用していた事件で、麻薬取締法違反容疑で逮捕された容疑者(37)が「集中治療室にあった点滴用のフェンタニルをブドウ糖とすり替えて入手した」などと供述していることが24日までに、捜査関係者への取材で分かった。同センターは「麻酔薬は金庫に保管しているはず。患者に異常が出たとの報告は聞いていない」としているが、重篤患者などを治療する場で適切な麻酔や鎮痛処置がなされていなかった可能性が高く、同センターの管理体制のずさんさがあらためて浮き彫りになった。 捜査関係者などによると、同容疑者は今年4月ごろからフェンタニルを自己使用。麻酔科に勤務していた4~5月は、患者に投与後、残ったフェンタニル(1本2ミリリットル入り)の中から複数本を注射器で吸い出す方法で、計約100本分(約200ミリリットル)を入手
藤沢市は17日、市内の医療機関からポリオ(急性灰白髄炎)の発生届け出があったと発表した。発症したのは市内在住の1歳の女児で、ポリオワクチンの予防接種の副反応とみられる。副反応によるポリオ発症は、県内では初めて。 女児は5月14日、市民センターで行われた集団接種で経口生ポリオワクチンを接種。発熱後に手足のまひ、運動機能低下などを起こしたため、6月3日、市内の医療機関に入院した。 県衛生研究所が同月30日、便からワクチン由来のポリオウイルスを検出。国立感染症研究所のポリオウイルス分離同定試験と遺伝子解析試験により、接種したワクチンと同型と判定された。 女児は7月3日退院し、現在リハビリ中。まひはなくなったが、左腕と右肩に筋力低下が残っている。 細菌製剤協会によると、ポリオワクチンは体内で増殖して毒性が増すことがあり、約486万回の接種に1人程度(通常1人2回接種)の割合でまひなどの副反
健康や医療などに関する相談を24時間、年中無休で受け付ける電話サービスが、今月から藤沢市で始まった。民間の保健事業会社に業務を委託するもので、県内では大和、厚木両市に次いで3番目。激増する心の病に対応し、メンタルヘルス相談にも応じる。 名称は「ふじさわ安心ダイヤル24」で、藤沢市民だけが利用できる。電話番号(フリーダイヤル)は市の広報紙やチラシを全戸配布し知らせたという。相談項目は健康、医療、介護、育児、メンタルヘルスなど多岐にわたる。住まいの近くの医療機関や専門外来の紹介も行う。 業務は、約50自治体の保健事業を手掛けるティーペック(東京都千代田区)に委託した。同社は東京、横浜などにコールセンターを置き、医師、看護師、保健師、ヘルスカウンセラーなどを常駐させ、24時間、年中無休で相談を受け付けている。 昨年12月に開始した厚木市、今年6月に開始した大和市も同社に委託している。藤沢市
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く