ドロップアウトです 車輪の下 (新潮文庫) ヘルマン・ヘッセの代表作、「車輪の下」を読んだ。片田舎で生まれた神童ハンスが、神学校で落ちこぼれドロップアウトする様を描いた小説だ。著者自身、神学校を脱走しており、この話には彼の自伝的な意味合いもあったりする。ヘッセとハンスの違いや共通点などの解説が巻末に書かれており、小説と併せて読むことで理解がより深まる。いつものことながら、ブックオフの105円文庫を買った。 ヘッセと自然 前半部はハンスが田舎の学校から神学校の試験を受け見事パスするまでが書かれている。合格したハンスはいままの勉強漬けの生活から、釣りや森の散策など自然を相手に遊び倒すようになる。そのあたりの描写で、木や花の名前がつらつらと書かれているが、あいにく僕は植物に疎い。しかしながらそれが綺麗だということは分かる。 森のはずれには、柔らかな毛のある、黄色い花の咲く、堂々としたビロウドマウ