太陽光や風力といった自然エネルギー(再生可能エネルギー)は「自然にやさしい」というイメージがあります。しかし太陽光や風力は、水力発電と同じ電力量を生み出すのに、水力発電所の5倍の面積が必要だといいます。それは「エネルギー密度」が低いからです。筑波大学の掛谷英紀准教授は「高校までの知識で、自然エネルギーのウソは容易にわかる」といいます――。(第2回、全4回) 大多数の人が知らない「自然エネルギーが自然を破壊する」 今回の話題は、「電気の未来」というタイトルで、大学のオープンキャンパスや高校での出前講義などの機会に、理系の高校生を相手に何度も話してきたものです。基本的に高校レベルの話ですし、普段高校生相手に話す内容に比べるとかなり平易にしています。 まず、講義で必ず聞くクイズを紹介しましょう。 福島第一原発の事故の後、「これからは自然エネルギーの時代」だと言われていますが、なかなか普及しません