今年3月、1986年4月26日に爆発し大参事をもたらしたチェルノブイリ原発に向かった。原発事故当時に妊娠していた女性の胎児が、26年の時をへて母になり、子どもを産み始めている。その孫にも、小児ガンなどの被害が出始めているというのだ。妊婦が被曝すると、胎児ばかりか、胎児のなかの生殖細胞(将来の孫)の遺伝子が傷つくことがあり、すなわち一つの身体のなかで三世代が被曝することになる。それは直接、「25年後の福島」でも起きかねない事態だ。一歩間違えれば差別にもつながる深刻な問題であることから、マスコミはタブー視して手をつけられない。真偽を検証すべく、ロシア居住経験もある筆者ら取材チームが、現地を取材した。 Digest 水墨画のようなチェルノブイリ遺跡 「放射能は遺伝子を傷つける」と言わなくなった 森の都キエフへ 乳製品と生野菜に注意? 5歳以下の脳腫瘍が激増 孫世代の調査を誰も本格的にしていない?