◆作品解説 「ファーズ」はローザスの記念碑的作品といっていい作品である。この作品が契機となりローザスというダンス・カンパニーが生まれ、主催者ケースマイケルは以後世界的な評価を勝ちとっていった。ローザスはかなり初期から、自らのパフォーマンスを映像化した作品を発表しているが、この「ファーズ」に関しては結成20年周年間近になった今年、やっと映像作品が制作された。監督はティエリー・ドゥ・メイ。前作『ローザス・ダンス・ローザス』の監督が、ケースマイケルの振付の持つ力を映像に吹き込んで、再び独自な作品を作りあげた。 この映像作品はパフォーマンスと同様、4つのパートから構成されている: 二人のダンサーと彼女たちの影。この3要素がカメラと絡み合い、ライヒ作曲のミニマル・ミュージックの傑作「ピアノ・フェイズ」と共鳴する。彼女たちの吐息、衣擦れさえもその一部である。