宮崎の「平和の塔」(その実態は「八紘一宇の塔」だけど)前の売店にふらりと立ち寄った時、まったく偶然に手に取った。 「戦況や戦闘ではなく、一見『平穏な日常』と化してさえいた占領の諸側面」を描き、「対象となってこなかった諸側面」を描いているということに興味があったので購入して読んだ。遺品を残したのは、「とりたてて好戦的でも反戦的でもない平凡な個人」(いずれも本書p.22)であるという。したがって、 戦争の大義や従軍への彼らの姿勢と意識は「時代の趨勢」の側に居た大多数の国民や、戦争の遂行にあたった大多数の将兵の意識に繋がるだろう。(本書p.22) この本は、「北支」すなわち中国北部(華北)を占領した日本軍に将兵として参加した3人の日本人の資料・遺品から占領の日常・実態を読み解こうというものだ。「北支」に派遣された独立混成第四旅団に参加した田宮圭川、山本泉、田村泰次郎の3人である。 この本の読みど
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