司法の判断に市民感覚を反映させることをねらいに、裁判員制度が導入され10年がたちました。この10年で刑事司法は激変しました。これまでに裁判員や補充裁判員を務めた市民はおよそ9万人。変化は裁判員が参加したことによる市民感覚の反映にとどまりません。刑事司法そのものが変わったのです。私たちはこの10年に起きた刑事司法の変化をさまざまな観点から検証する取材を続けています。3回シリーズでお伝えする「激変!刑事司法」。第1回は裁判官編です。 現場の裁判官たちは刑事司法の激変をどのように感じているのでしょうか。裁判員を務めた人に対しては判決の言い渡しが終わった後、記者会見があり、取材の機会が設けられます。会見に出席するのは希望した人だけですが、それでも重大な裁判を中心に、裁判員が感じたことが社会に報じられてきました。 しかし判決を出した裁判官が記者会見に出てくることはありません。判決に書かれたことが裁判