私の父は数年前、アルツハイマー型認知症を経て肺炎で亡くなった。 父は、昔の人によくありがちな典型的な癇癪持ちのタイプで、気に入らない事があると突然癇癪を起こすのが常だった。 好きなプロ野球チームが、父のお気に召さないプレーなどを示すと「なにやっとんじゃぁっ!!」と晩酌のビール瓶片手にしょっちゅう切れていたし、そのビール瓶を叩き割ってしまって自分で後片付けしていた背中が私の少年時代の記憶に焼きついている。 仕事は、一人親方の看板製作業で、小中学生の頃よく一緒に手伝いに連れて行かれたけど、現場に一緒に入っている他の会社の作業員にブチ切れて怒鳴り散らす事も珍しくない人だった。 私はそんな父が別に嫌いだということはなかった。プラモデル作りや釣り、音楽レコード鑑賞などそこそこ趣味を持っていた人で、私は釣りには興味は示さなかったが、プラモデルは好きでよく一緒に作ったものだ。父は職人肌のところがあり、プ