前回に引き続き、有川浩さんの作品「海の底」を読み返したので、その感想を。本当に個人的な、個人的な感想です。軽くネタバレになってしまうかもしれません(たぶん大丈夫)こんなことで、つまんなくなるほどの本じゃない。 海の底 (角川文庫) 新品価格 ¥761から (2016/10/3 21:00時点) 空の中と同様、自衛隊三部作として知られる「海の底」 この作品も言葉一つで表すとしたら「痛い」だろう。もしかしたら、空の中よりも、痛々しいとも思える。表現がグロテスクである。そんなものではなく、リアルで、分かってしまうのがきつい。 「……そんでも、あの子が死んで艦長が助かったらよかったって思う俺はひどいか」 (本編より夏木) ひどい印象に残った夏木の言葉だ。 なんて当たり前なのだろうと思った。自衛隊は国民を守らないといけない。いけないけど、その対象はほとんど、他人だ。名前さえ知らない。そんな奴らを守っ