インターネットで本の注文を受け宅配するオンライン書店が急成長している。ベストセラーの動向にも影響を与え始め、出版界の台風の目になりつつある。(佐藤 憲一記者) 売り上げ速報が告知効果 都内在住の時代小説作家、松井今朝子さんはこの数年、書店に足を運ばなくなったという。仕事柄、何十冊も新刊や古書を買う月もあるが、仕事場のパソコンからもっぱらオンライン書店を利用、「送料を払っても繁華街に出る電車賃より安いし、広い書店の中を探し回ることもなく楽」と話す。 出版科学研究所の推計によると、オンライン書店市場は2000年の70億円から04年は420億円と6倍に急増。佐々木利春主任研究員は、「日本の書籍とマンガ単行本を合わせた年間売り上げ1兆2千億円の3%以上を占め、既存の書店に影響するまでになった」と指摘する。1500円以上の注文は送料無料とするところが増えるなど利便性の向上が背景にあるという。 多くの