東日本大震災の被災地を支援するため、電子書籍を無償で配信する動きが広がっている。専門出版社が医療や法律などの情報を掲載した出版物を公開しているほか、漫画家が自作の電子版を提供する例もある。電子版の機動力を生かした試みで復興を側面支援している。 医療系の専門出版社、医学書院は、同社刊行の雑誌や書籍の記事をサイト上で無料配信している。被災地の医師や看護師らの利用を想定しており、新潟県中越地震での救援活動を紹介した「看護管理」や、妊婦と放射線を特集した「助産雑誌」など計14本が閲覧可能。短文投稿サイト「ツイッター」には被災地からとみられる歓迎コメントも寄せられているといい、5月末まで公開する。 建築関係の書籍を出す学芸出版社も「提言!仮設市街地」などの全文を公開。みすず書房は、精神科医の中井久夫さんが阪神大震災での現場体験などをつづった著書2冊を緊急出版する。このうち「復興の道なかばで」(10日