古くから「天気が悪いと古傷がうずく」といわれるように、天気により体調が悪くなると訴える人は多いんです。疑わしく思う人もいますが、最近は「気象病」といわれ、世間でも認識されてきています。今回は気象病のなかでもよく聞かれる「低気圧や台風(熱帯低気圧)になるとだるい」について説明します。 気圧(大気圧)とは空気の重みが作り出す圧力で、地球上に存在するすべての物質には空気の重みによる圧力がかかっています。標準大気圧は高さがゼロの海面で1気圧とされ、空気が少なくなればなるほど軽くなる=気圧は低くなります。地上よりも空気の薄い富士山の山頂では0.7気圧になるそうです。 さて、台風が生まれるのは赤道に近い海の上で、日本から見ると台風はいつも南からやって来ます。赤道付近は太陽から受ける熱量が多く、海面温度が高いので、熱された空気が上昇し、上昇気流を生み出します。その際、周りの空気を引っ張るので空気の層が薄