アメリカのオバマ大統領による、カイロ大学での演説は、エジプト政府は別にして、アラブのインテリの間では、極めて不興であったことは、既に報告したとおりだ。今日になって、BBCのインターネット記事にも、そのことが紹介されていた。 それは当然であろう。彼一流のタレント性を生かし、軽妙にアメリカの新中東政策なるものを語ったのだが、それはみな条件付であったことを、見逃すのは日本人ぐらいなものであろう。 彼が言った種々の新中東外交とは、みな条件が付いていて、その条件が満たされず、アメリカの意向とは違う方向へ行った場合、それはアラブ諸国中東諸国の責任だ、というものであったと私は受け止めたし、アラブの人たちもそう受け止めているようだ。 一例だけを挙げよう。オバマ大統領はイスラエルとパレスチナという、二国家が誕生することが、和平の条件だと言い、あたかもパレスチナ国家が出来ることを、アメリカが強力に進める