『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(Good Will Hunting/1997) 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(Good Will Hunting/1997)には忘れられないシーンが3つある。 一つはエンドロールに映る真っ直ぐに伸びた一本の道。そして西へ向かって走り続ける一台の車。これだけだと何てことのない映像のように思うかもれしない。だが、映画を観ればこれが特別なものに感じる。主人公は今まさに「生きる」ことに歓喜し、自分の殻を破り、住み慣れた町を離れ、「会いたい人」のために移動していくことを選んだのだ。 ジャック・ケルアックの小説『路上/オン・ザ・ロード』の断片のようなこの映像がしばらく頭から離れなかった。今回改めて観ていると、最後に「この映画をウィリアム・S・バロウズとアレン・ギンズバーグに捧ぐ」というクレジットを見つけて、何だか胸が熱くなった。 ビート・ジェネレー