日本法人の社員は患者よりも、先生方を優先しがちである。新たな問題が出てきても、もう驚かない−−。 大手製薬会社、ノバルティスファーマは4月3日、二之宮義泰社長ら日本法人トップを更迭し、同日付でドイツやアイルランド法人などの社長を歴任したダーク・コッシャ氏の社長就任を発表した。その会見場にスイス本社から駆け付けたデビッド・エプスタイン社長は、医薬スキャンダルに揺れる日本法人の“病根”をそう指摘し、謝罪した。 社長発言の前段は目配りを怠ったことを棚に上げ、自らに都合がいいカルチャーショックのアピールとも取れるが、後段は「極めて意味シン」と捜査関係者は苦笑する。 今年1月9日、厚生労働省は薬事法違反(誇大広告の禁止)で、ノバルティスの日本法人を東京地検に告発した。同社の高血圧治療薬『ディオバン』は、東京慈恵会医科大学などでの臨床試験に同社の社員が身分を隠したまま深く関与。論文に掲載された試験デー