ドリュー・ハウストンが、インターネット上のストレージを提供するドロップボックスのアイデアを思いついたのは、「クラウド」という言葉がはやるずっと以前、2007年のことだった。 コンピュータの保存容量をオーバーし、いつもUSBドライブを持ち歩くのにうんざりしていたハウストンは、クラウド空間にストレージを設ければ、みんなも楽になるはずだと考えた。ただ、一般人はクラウドという言葉を聞いたのはずっと後になってからだが、エンジニアたちの間ではクラウド・ストレージはすでに知られたもので、同じようなサービスを提供する会社は山とあったのだ。 そこに参入したドロップボックスの違いは、どんなデバイスからもクラウドにアクセスでき、ファイルに加えた変更がどのデバイスでも同時にアップデートされ、そしてクラウド上のファイルを友人や仕事仲間と共有できることだった。そうしたことを実にスムーズに、まるで魔法のように可能にした