これまで鉛筆画や黒鉛、ボールペンなど画材を使って、写真と見紛うほどのリアルな作品を描くアーティストを紹介してきたのだが、新たに油絵でリアリティを追及する画家をご紹介したい。現在ニューヨークを拠点に活動する彼の作品は、アメリカは元より海外でも高い評価を受けている。インターネット上で公開されている作品を見ると、どう見ても写真のようにしか見えないのである。繰り返すが、これは油絵の作品だ。 写真で撮影したような油絵作品を手がけているのは、NYで活動する画家のイガル・オゼリ氏(53歳)だ。彼はイスラエル出身で、1990年(37歳)にニューヨークでの活動を開始した。以来20年間、彼の作品は高い評価を受けており、近年は「マイク・ワイス・ギャラリー」を中心に活動を展開しているのである。 彼の作品は、写真のような精巧なタッチで描かれており、まるで一瞬を切り取ったような緊張感がみなぎっている。しかし、描かれる