人口約2万8000人。柳田國男の「遠野物語」の舞台となった町、岩手県遠野市。 「民話のふるさと」を謳った伝統文化や観光資源はあるものの、少子高齢化による人口減少や地場産業の衰退など、日本各地の地域と同様、自治体としての悩みは尽きない。そんな遠野市でいま、壮大なチャレンジが行われている。 それを牽引するのが、ポスト資本主義を掲げる活動プラットフォーム、「Next Commons Lab(以下NCL)」だ。NCLは、自治体からの委託を受け、地域資源の可視化と地域課題を解決する仕組みをコーディネート。地域おこし協力隊(総務省が設立した取組み)の制度を活用し、対象地域に起業家をめざす10数名の移住者を呼び込み、新たな共同体を形成する。 新事業の創出をめざす集団がまとまった期間に「集団移住」することで、地域に新たなコミュニティができ、そのなかで相互的な連携や支援リソースも共有することができる。現在、